太陽のあたる場所

こんばんは～
本日は、急に思い立って、いざ！と新宿御苑前にあるシアターサンモールへ突撃してきました。
･･･え、なんで？っていうのはですね～本日が千秋楽でございました、麻生美代子さん率いる鈴舟さんの第４回公演「太陽のあたる場所」を見たくって。ＤＭ頂いていたんですが、このところ予定や自分の体調的なものが読めなくて、前もってチケットを買っておくのはちょ～っと不安なんですよね。それでも見たいものは見たいわけで。本日体調も絶好調・予定も無い！（寂）・あれ今日って千秋楽じゃないですか？ってなわけで。行っちゃいました。

鈴舟さん公式サイトはこちら→http://www.quinbaya.com/suzufune/

ちょっと急な思い立ちだったもので、どうかなって思ったけど、行って良かったです～～！！
本当に行って良かった。良かったよぉぉぉ
昨年のヘロＱさんに引き続き、涙溢れる感動を味わうことが出来ました。
ふと気が付いてみると、鈴舟さんになってからお芝居を見に行ったのは初めてだったかもです。鈴置さんの追悼公演を最後に、行ってなかったような。こんな感じな、大して見に行ってない私が言うのも、なんですけど、こちらの劇団さんは、鈴置さんから麻生さんにバトンタッチして劇団のお名前は変わっていますが、見に行くたびに、変な言い方して申し訳ないけど、ハズレがないな！って思います。
見に行って、中にはがっかりなお芝居もあるわけですよ。でも、いつも「来て良かった、見られて良かった」って満たされて帰ってこられる気がします。
これだから、お芝居見に行くのって良いなぁ～お芝居って好きだなぁ～って思える、大好きな劇団さん。次回公演も日が合えば見に行きたい。そしてＤＣさんとの合同公演も超楽しみっす！

本日は千秋楽でしたので、役者さんのご紹介、あと毎回千秋楽の恒例だそうなのですが、次回予告～ということで、中尾さんが客演されていることもあって、「愛の結晶くん」の次回予告ミニ芝居が披露されました！何か、よく分かんなかったけど（笑）愛の結晶くんは病院で起こる様々な人間模様を３部作？にしたお芝居になるそうですね。

千秋楽だったということで、ちょっとネタバレ的なものもＯＫかな？以下は感想書き逃げします。
ネタバレは特に意識して書きませんのでヨロシクです。

「太陽のあたる場所」は、過去上演作品の「煙が目にしみる」の続編ともなる作品だそうですが、煙～を見ていない人（私とか）でもとても楽しめ、感動するお芝居でした。

運送業を営む父親（内海賢二さん）と、ごく普通の専業主婦で家事洗濯をこなす母親（駒塚由衣さん）と、共に暮らす、３０になっても安定した職に付かないで結婚していない次男坊のケンジ（大谷さん）。お風呂場は離れた場所にあったり、トイレも離れにあったり、縁側があり、お風呂は薪をくべてお湯を沸かすという懐かしい昭和スタイル。セットも細部まで細かくて、開演前から舞台に釘付けでした。

冒頭はケンジさんとお母さんの何気ない会話から始まり、本当に何気ない、ごく普通の親子の会話。その何気ない会話が、最後となり、お母さんが急に心筋梗塞で亡くなります。
お話は、母親の葬式に集まる親戚一同・家族・そして生前母親が関わっていた見知らぬ人物たちの訪問により、母親の人生・人となりを家族が改めて知る、母がどんな人生を送っていたのか、どんな思いでいたのだろうかと巡る、ハートウォーミングストーリーでした。

何気ない毎日、お客様用のお茶の蓋の場所、洗濯された父親の靴下の場所、片づけられた食器、お釜の中のご飯、お味噌汁、当たり前だった毎日が、この家のお母さんがいなくなったことによって、お茶の蓋は見つからない、父親は靴下ひとつ見つけられない、食器は流しに置きっぱなし、お鍋には昨日の残りのお味噌汁、お釜には黄色くなったご飯･･･当たり前のようで、何気ないようで、必要不可欠な日常の一つ一つ、お母さんがいなくなったことを実感させられます。
この見せ方が、じんわりと響いてきました･･･
そして、しおつかさん演じる長男が、お釜のご飯を鍋に入れて、母親によく「あなた好きね～」と言われていたねこまんまを掻きこみながら、涙をこぼして「美味しい、美味しい。もっと食べたかった」って言う場面、うるっとしました。
次男のケンジさんは、黙ってお風呂場に入っては、母親の亡くなった場所で、自分を戒めるように何度も何度も音を立てて泣きじゃくる。
この合間合間で、過去の風景として、まだお母さんが生きていた頃の会話や場面が交差していきました。
この見せ方がまた、如何に母親の存在が当たり前で日常の一部であったか、そして大事なものであったかと、失った喪失感が大きく感じられ、胸に詰まるものがありました。

合間合間の親戚同士のやり取りは、アットホームで笑いも詰まってて、じんわり持って行くとこは涙溢れんばかりなのですが、しっかりちゃっかり笑わせてくれるのが流石です。
相原さんは溌剌として勢いもあって、とってもキュートな長男の嫁。タバコを隠れて吸ってみたり、証拠隠滅してみたりと、動きも可愛く楽しかった！
中尾さんと鶴さんのご夫婦はもうとても程よい存在感。息もぴったりで、おぉそうだわこのお二人は私の大好きなバイキンマン様＆ドキンちゃんでした！！（嬉々）そりゃ息もぴったりなはず。熟年夫婦ならではの冗談交えたやり取りも嫌味なく軽快で面白い！たくさん笑わせて頂きました。
脇を固める中野さん・和田さんのキャラも面白かった～！！中野さんは、ちょっとヒロシ風で吹きました。
麻生さんは、出番こそ多くはないものの、やはりその存在感と、いつものキュートで茶目っけたっぷりなおばあちゃま役がぴったり。今回のおばあちゃまは、特にキュートでございました。そして「昭和の時代は終わった」と常々呟くその姿が、物語を大きく色付けしていったように思います。

内海さん演じるお父さんが、すっばらしかったです～～！！
お葬式だと言うのに何処に行ったのか？ホテルにいたという噂が？もしかして他の女性と？？と色々と怪しい行動の多かった父親の、謎が溶けるともう！泣かされました･･･
次の日に届けられた白い箱の中には、金物は一切外してある、真っ白なウェディングドレス。棺に入れる為だろうと気が付いた時、胸がキュンとなりました。
そして最後の号泣には、一緒にボロボロと泣いてしまいましたよ～～
美味しいものいっぱい作ってくれたねぇ、笑った顔が大好き、髪の毛も、腕も･･･一緒に生きてくれてありがとう、一緒になってくれてありがとう、って言う言葉にもう私は泣かずにはいられませんでした。

たっぷり泣いた後はエンディング。もう何が何だか、とにかく感動でいっぱいでした。
上手く、説明できませんでしたが･･･
最後の最後では、駒塚さんがウェディングドレスを着ていらして、内海さんも真っ白なタキシード！
とっても素敵でした。そして、この時の内海さんの笑顔の、なんとなんと素敵だったことか。はぁ～うっとりです。
ブーケトスもありました！男性が取っちゃったみたいですけど！！（苦笑）

鈴舟さんのお芝居は、また是非見に行きたいなと思いました。
今日は、行って本当に良かったです。素晴らしい好演をありがとうございました！！
そして当日券だったのに、Ａ列に座らせて頂けたことにも大感謝。